Baiduが自動ニュース動画生成AI「VidPress」を発表、1日1,000本の動画制作が可能

中国の大手IT企業Baiduは、ニュース記事から自動的に動画を生成するAI「VidPress」を開発しました。このツールは自動音声、グラフィック素材、複数ソースからの情報収集を組み合わせて、わずか数分でニュース動画を作成できます。
VidPressの仕組みと機能
Baidu Researchの公式発表によると、VidPressはURLを入力するだけで自動的にニュース動画を生成します。処理プロセスは以下の通りです:
- URLから記事を分析し、主要なポイントを抽出
- 同じニュースに関する他の記事を検索して追加情報を収集
- 音声ナレーションを自動生成
- 関連する動画と画像を収集
- 音声と映像を同期させて最終動画を完成
2分程度の720p品質の動画生成には約2分半を要します。これは人間の動画編集者が平均15分かかることと比較すると、大幅な時間短縮となります。
処理能力と現在の展開
VidPressは現在、中国の短編動画プラットフォーム「Haokan」で運用されており、1日最大1,000本の動画を生成できる能力を備えています。これは人間の動画編集者が1日に制作する300~500本と比較して、大幅に上回っています。
現段階ではマンダリン言語のみに対応していますが、Baiduはソーシャルメディアのトレンドを自動検出し、それに関する動画を自動生成する機能も備えています。将来的には、このツールを通信代理店に提供し、コンテンツ制作業務の効率化を目指しています。
中国におけるニュース自動化の動き
中国ではAIによるニュース報道の自動化が進んでいます。2018年、中国の通信社新華社(Xinhua)は、人間らしくジェスチャーをし、合成音声で話すAIニュースキャスターを発表しました。
最近では、新華社はSogouと共同開発した3Dアバター「Xin Xiaowei」を発表しました。このアバターは仮想スタジオで人間のようにニュースを報道します。一方、西側ではMicrosoftがMSNプラットフォームの複数の編集者をAIに置き換えることを発表しています。
残された課題と懸念事項
VidPressの展開には、いくつかの重要な課題が残されています:
- 情報源の透明性:AIがどのソースから情報を収集しているか、またそれらが信頼できるかが不明確
- ファクトチェック:生成された動画が正確であり、誤った情報が拡散されていないことを確認する人間による検証が必要
- 透明性表示:視聴者に対して、動画がAIによって生成されたものであることを明確に示す必要性
詳細情報 | Baidu Research





