インターネット上のAI汚染を回避する新ブラウザ拡張機能「Slop Evader」登場

AI生成コンテンツの氾濫により、インターネット上で本物と偽物の区別が困難になっている問題を受け、アーティスト兼研究者のTega Brainが開発したブラウザ拡張機能「Slop Evader」が話題となっています。このツールは2022年11月30日以前の検索結果のみを表示し、AI生成コンテンツを回避します。
Slop Evaderの概要と機能
Tega Brainが開発したSlop Evaderは、インターネット上に溢れるAI生成の「スロップ(質の低いAIコンテンツ)」を避けるためのブラウザ拡張機能です。404mediaのインタビューで、Brain氏は「最も簡単で単純な方法は2022年以前の検索結果だけを表示すること」と述べています。
この拡張機能は2022年11月30日、ChatGPTのリリース日を境に検索結果をフィルタリングし、それ以降のAI生成コンテンツを排除します。対応ブラウザはFirefoxとChromeで、ChromiumベースのMicrosoft Edge、Brave、Opera、Vivaldiなどでも利用可能です。
プリAI時代への回帰を目指して
拡張機能をインストール後、アイコンをクリックすると検索パネルが開き、Google、Reddit、Quora、Stack Exchange、Mumset、Pinterest、YouTubeの7つのサイトで2022年11月30日以前の結果のみを検索できます。今後、対応サイトの拡大も計画されています。
最新情報を求めるユーザーには不向きですが、Slop Evaderの目的は生産性向上ではなく、AIコンテンツの氾濫という現状への問題提起です。開発者自身も「状況は改善どころか日々悪化している」と指摘しています。
筆者も実際に利用し、AIに惑わされずに巻き髪のヘアスタイルのアイデアを検索できたと報告しています。
AI生成コンテンツの増加とその影響
かつてはAI生成の粗悪なコンテンツは容易に見分けられましたが、動画生成ツール「Sora 2」などの登場により、AI動画のリアルさが増し、知らずにAI動画を共有するケースが増えています。「誰もが知らずにAI動画を共有している」状況です。
また、画像生成AI「Nano Banana Pro」の登場により、画像の真偽を見極めることが難しくなり、ジャーナリストのJavier Lacort氏は「私たちは常に疑いの目を持ち、画像を共有する前に二度考える必要がある」と述べています。これは日常的な認知的負担の増加を意味します。
さらに、Etsyや不動産サイトIdealistaなど、さまざまなプラットフォームでAI生成画像が使われ、実際の物件とは異なる「リフォーム後のイメージ」として掲載されるケースも増加しています。
Slop Evaderの限界と今後の課題
Slop EvaderはAIコンテンツの氾濫を告発するツールであり、問題の根本的な解決策ではありません。真実の画像とAI生成画像を区別するためには、プラットフォームや政府によるより強力な検証体制の構築が必要です。





