TCP/IPの基本!インターネット層・ネットワークインターフェース層編

インターネットでは、データのやり取りを行うために、プロトコルが重要な役割を果たしています。その中でも、TCP/IPは、インターネットの基盤となるプロトコルスタックとして、広く使用されています。TCP/IPの基本的な構造は、インターネット層、トランスポート層、アプリケーション層、ネットワークインターフェース層の4層で構成されています。この記事では、TCP/IPの基本を解説するシリーズの最初の記事として、インターネット層とネットワークインターフェース層について詳しく説明します。インターネット層には、IPアドレスやルーティングなどの機能があり、ネットワークインターフェース層には、データ送信のための基本的な機能があります。これら2層の基礎知識を理解することで、TCP/IPの全体像を把握し、ネットワーク構築やトラブルシューティングに役立ちます。

TCP/IPの基本!インターネット層・ネットワークインターフェース層編
TCP/IP (Transmission Control Protocol/Internet Protocol) は、コンピュータ間の通信を可能にするプロトコル群です。この記事では、インターネット層(Network Layer)とネットワークインターフェース層(Link Layer)について説明します。
インターネット層の概要
インターネット層は、TCP/IPの第3層です。この層は、パケットの転送を担当し、パケットが正しい宛先に届くようにします。インターネット層では、IPアドレス(Internet Protocol Address)を使用してパケットをルーティングします。 | プロトコル | 説明 | | — | — | | IP | インターネット層の基本プロトコル | | ICMP | エラー通知や診断に使用されるプロトコル | | IGMP | マルチキャスト通信に使用されるプロトコル |
ネットワークインターフェース層の概要
ネットワークインターフェース層は、TCP/IPの第2層です。この層は、データをネットワーク上に転送することを担当し、データの伝達を確実にするために、MACアドレス(Media Access Control Address)を使用します。 | プロトコル | 説明 | | — | — | | Ethernet | 有線LANの標準プロトコル | | Wi-Fi | 無線LANの標準プロトコル | | PPP | ポイントツーポイントプロトコル |
インターネット層のアドレッシング
インターネット層では、IPアドレスを使用してパケットをルーティングします。IPアドレスは、32ビットまたは128ビットの数字で構成されます。 IPv4(Internet Protocol version 4):32ビット IPv6(Internet Protocol version 6):128ビット
TCPでデータが届く仕組みを解説!ネットワークインターフェース層のアドレッシング
ネットワークインターフェース層では、MACアドレスを使用してデータを転送します。MACアドレスは、48ビットまたは64ビットの数字で構成されます。 Ethernet:48ビット Wi-Fi:48ビット
TCP/IPのモデル
TCP/IPは、OSIモデル(Open Systems Interconnection model)と呼ばれる7層構造を使用しています。これは、以下のようになっています。 | 層 | 説明 | | — | — | | アプリケーション層 |FTP、HTTP、SMTPなどのプロトコル | | トランスポート層 |TCP、UDPなどのプロトコル | | インターネット層 |IP、ICMP、IGMPなどのプロトコル | | ネットワークインターフェース層 |Ethernet、Wi-Fi、PPPなどのプロトコル | | データリンク層 |MACアドレス、フレームの構成 | | 物理層 |転送メディア、電気的特性 |
層 | プロトコル | 説明 |
---|---|---|
アプリケーション層 | FTP | ファイル転送プロトコル |
トランスポート層 | TCP | 転送制御プロトコル |
インターネット層 | IP | インターネットプロトコル |
ネットワークインターフェース層 | Ethernet | 有線LANの標準プロトコル |
IPアドレスやMACアドレスは、TCP/IPを使用したネットワーク通信の基本です。この記事では、これらのアドレッシングについて詳しく解説しました。
TCP/IPのネットワークインターフェース層とは?
TCP/IPのネットワークインターフェース層とは、コンピューターネットワークでデータを送受信する際に使用される、プロトコルのスタックの最も基本的な層です。この層は、物理的なネットワークインターフェースとデータリンク層とのインターフェースを担当し、データの送受信を可能にします。
Telloドローンを操作&プログラミング!TCP/IPのネットワークインターフェース層の主な機能
TCP/IPのネットワークインターフェース層の主な機能は以下の通りです。
- MACアドレスの管理: この層は、ネットワークインターフェースに割り当てられたMACアドレスを管理し、データの送受信時に使用します。
- フレームの生成: この層は、データをフレームに変換し、物理的なネットワークインターフェースに送信します。
- エラーの検出と訂正: この層は、受信したフレームにエラーが存在するかどうかを検出し、エラーが存在する場合は dataを再送信します。
TCP/IPのネットワークインターフェース層のプロトコル
TCP/IPのネットワークインターフェース層で使用される主なプロトコルは以下の通りです。
- ARP (Address Resolution Protocol): このプロトコルは、IPアドレスからMACアドレスを取得するために使用されます。
- RARP (Reverse Address Resolution Protocol): このプロトコルは、MACアドレスからIPアドレスを取得するために使用されます。
- ICMP (Internet Control Message Protocol): このプロトコルは、エラー通知や経路探索などのネットワーク管理機能を提供します。
TCP/IPのネットワークインターフェース層の利点
TCP/IPのネットワークインターフェース層の利点は以下の通りです。
- 相互接続性: TCP/IPのネットワークインターフェース層は、異なるネットワークデバイス間の相互接続性を実現します。
- ネットワーク管理: この層は、ネットワーク管理機能を提供し、ネットワークの安定性と可用性を向上させます。
- スケーラビリティ: TCP/IPのネットワークインターフェース層は、大規模なネットワークにも適応し、スケーラビリティが高いです。
ネットワークインタフェース層とは何ですか?
ネットワークインターフェース層とは、OSI基本参照モデル(Open Systems Interconnection Basic Reference Model)の7層模型における、最下位の第1層を指します。この層は、コンピュータネットワークにおいて、物理的なネットワークデバイスやネットワークカードなどのハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントの間でデータの送受信を制御するプロトコルを規定しています。
Tensorflow2で3D U-Netを実装する方法ネットワークインターフェース層の主な機能
ネットワークインターフェース層は、ネットワークケーブルや無線LANなどの物理的なネットワークに接続されたデバイス間のデータ転送を可能にするために、以下のような機能を提供しています。
- ビットエラーコントロール:送信データにエラーが発生しないように、送信データをチェックする機能。
- フレーミング:データをフレーム(パケット)に分割し、各フレームにヘッダーとトレーラーを付加する機能。
- フロー制御:送信データの量を調節し、ネットワークの飽和を防ぐ機能。
ネットワークインターフェース層のプロトコル
ネットワークインターフェース層で使用される主なプロトコルは、以下の通りです。
- イーサネット(IEEE 802.3):ローカルエリアネットワーク(LAN)で使用されるプロトコル。
- IEEE 802.11:無線LAN(WLAN)で使用されるプロトコル。
- PPP(Point-to-Point Protocol):ポイントツーポイント接続で使用されるプロトコル。
ネットワークインターフェース層のデータ送受信プロセス
ネットワークインターフェース層で実行されるデータ送受信プロセスは、以下の通りです。
- フレーミング:データをフレーム(パケット)に分割し、各フレームにヘッダーとトレーラーを付加する。
- エラー検出:送信データにエラーが発生しないように、送信データをチェックする。
- データ送信:フレーミングされたデータを物理的なネットワークに送信する。
インターネットの4つの層は?
インターネットの4つの層とは、インターネットを構成するさまざまな層を分類したものです。この層は、アプリケーション層、トランスポート層、インターネット層、リンク層の4つに分けられます。
Tensor、Numpy、PIL imageの相互変換【PyTorch】アプリケーション層とは?
アプリケーション層は、インターネットで使用されるさまざまなサービスを提供する層です。この層では、HTTP、FTP、SMTPなどのプロトコルを使用して、データを送受信します。例えば、WebブラウザでWebサイトを閲覧するときは、HTTPプロトコルを使用して、Webサーバーからデータを受け取ります。アプリケーション層の主要な機能は、以下の通りです。
- HTTP:Webブラウザ и Webサーバー間のコミュニケーションを担当します。
- FTP:ファイルの転送を担当します。
- SMTP:メールの送信を担当します。
トランスポート層とは?
トランスポート層は、アプリケーション層とインターネット層の間でデータを送受信する層です。この層では、TCP(Transmission Control Protocol)とUDP(User Datagram Protocol)の2つの主要なプロトコルを使用します。TCPは、データの送信を確実に行うために、エラー検出と再送の機能を提供します。一方、UDPは、リアルタイム性を優先し、エラー検出や再送を行いません。トランスポート層の主要な機能は、以下の通りです。
- TCP:データの送信を確実に行うために、エラー検出と再送の機能を提供します。
- UDP:リアルタイム性を優先し、エラー検出や再送を行いません。
インターネット層とリンク層とは?
インターネット層は、パケットをルーティングする層です。この層では、IP(Internet Protocol)を使用して、パケットを送信先のネットワークまで届けます。IPは、パケットのルーティングとアドレス指定の機能を提供します。リンク層は、物理的なネットワークでのパケットの送受信を担当します。この層では、EthernetやWi-Fiなどのプロトコルを使用します。リンク層の主要な機能は、以下の通りです。
- IP:パケットのルーティングとアドレス指定の機能を提供します。
- Ethernet:有線LANでのパケットの送受信を担当します。
- Wi-Fi:無線LANでのパケットの送受信を担当します。
ネットワークの4階層モデルとは?
ネットワークの4階層モデルとは、コンピュータネットワークを構築、運用する際に用いられる概念フレームワークの一つです。4つの階層に分けられたモデルで、ネットワーク上でのデータの流れを階層的に理解することができます。
Tera Termおすすめ設定!作業効率をアップ階層構造とその役割
ネットワークの4階層モデルは、以下の4つの階層で構成されます。
- アプリケーション層:HTTP、FTPなどのアプリケーションプロトコルが動作する層
- トランスポート層:TCP、UDPなどのトランスポートプロトコルが動作する層
- ネットワーク層:IPなどのネットワークプロトコルが動作する層
- データリンク層:イーサネットなどのデータリンクプロトコルが動作する層
データの流れとエンキャプセレーション
ネットワークの4階層モデルでは、各階層でデータをエンキャプセレーション(capsulate)して、下位層に渡します。この処理により、階層間でのデータのやりとりが可能になります。たとえば、アプリケーション層のデータはトランスポート層でTCPヘッダが付加され、ネットワーク層でIPヘッダが付加され、データリンク層でイーサネットヘッダが付加されます。
階層間の関係性と設計
ネットワークの4階層モデルは、ネットワークの構築、運用に際して非常に有効な概念フレームワークです。たとえば、ネットワークの構築時に、各階層の設計を明確にすることで、ネットワークの全体像を把握することができます。また、トラブルシューティング時には、各階層の関連性を理解することで、トラブルの原因を特定することができます。
よくある質問
TCP/IPとは何か?
TCP/IPとは、コンピュータがインターネットで通信するためのプロトコルをまとめたものです。 Transmission Control Protocol と Internet Protocol の頭文字を取ったものです。TCP/IPは、インターネットで利用される基本的なプロトコルであり、コンピュータ同士が相互に通信できるようにするための仕組みです。TCPは、信頼性の高いデータ通信を実現するためのプロトコルであり、IPは、データを目的のコンピュータに到達させるためのプロトコルです。
インターネット層とは何か?
インターネット層は、TCP/IPのモデルにおける3番目の層です。Internet Protocol の頭文字を取ったものです。この層では、ルーティングと đíchのホストへのパケットの転送が行われます。インターネット層では、IPアドレスを使用してパケットの転送が行われます。IPアドレスはコンピュータの固有の識別子であり、インターネット上でコンピュータを特定するために使用されます。
ネットワークインターフェース層とは何か?
ネットワークインターフェース層は、TCP/IPのモデルにおける4番目の層です。この層では、コンピュータがネットワークに接続されるための処理が行われます。ネットワークインターフェース層では、 MACアドレス を使用してパケットの転送が行われます。MACアドレスは、コンピュータのローカルネットワークの識別子であり、コンピュータがローカルネットワーク内でデータを送受信するために使用されます。
TCP/IPの利点は何か?
TCP/IPの利点は、多数のコンピュータが異なるネットワークを経由して通信できるようにすることです。TCP/IPは、異なるベンダやプラットフォームのコンピュータが相互に通信できるようにするため、オープンスタンダードと呼ばれています。さらに、TCP/IPは信頼性の高いデータ通信を実現するため、 ファイル転送、電子メールなどのアプリケーション に適しています。